本書掲載の詩のご紹介 感じることの意味 西洋哲学における“理性”という知の源泉を基盤として捉えると、 人は、考えるという行為を通して、 自分の意思を決定するものと解される だが、人は実際、何かを決定するとき、その最終段階において、 どう考えたかによってではなく、 “どう感じたか”によって、最後の意思決定をする 感じて、考えて、意思を決定するのではなく、 感じて、考えて、 さらに、“改めて感じた後で”最終的な意思を決定する そういえば、 人は、もうなすすべがない、 という極限まで追い込まれたときもそうだ 理性的判断から逸脱し、 伝家の宝刀を抜いてしまう場面においても、 深く考えた末に宝刀を抜くのではなく、 “強烈に何かを感じた末に”伝家の宝刀を抜く
(出典:“感じることの意味”、生井利幸先生著「文明の墓場 哲学詩」(成隆出版)、18-20ページ)